使用するシートは工場で生産されたものを使うので、均一な厚みで広い面積を施工できます。耐用年数と費用のバランスが良く経済的です。
施工方法は大きく分けて2種類。専用の接着剤を使う密着工法と、専用の機械でシートを接着する機械固定工法があります。雨漏りがあれば機械固定工法を採用します。改修の場合、既存の防水工法がシート防水以外であっても施工可能です。既成のシートで厚さが一定なので、職人の技術に依存せず、効率よく短期間で仕上げられます。ただし凹凸があったり、固定されている物が多い場所には不向きです。
加硫ゴムシート防水
加硫ゴムは外張が強く伸び特性が大きいので、下地への適応力があります。これをシート状に成型した加硫ゴムシートを下地に貼り付けたり、固定する工法を指します。主成分のEPDMは太陽光や温度、雨などの屋外の気候変化に強い耐候性、紫外線やオゾンに強い耐オゾン性に優れています。軽量で柔軟性があり、急こう配や変形の屋根にも施工可能。上から被せる方式で施工するため、廃材も少なくすみます。一般的にはシート表面に着色して完成。一層防水のため工程が少なく、短期間で工事が終わります。安価ですが、一層防水のため人が歩行する場所には不向きです。
塩ビシート防水
塩化ビニル素材で作られた約1.5~2㎜シートを、密着工法または機械固定工法で下地に貼り付けます。密着工法では全面に接着するため、シートが浮かず、主に歩行する場所に適しています。ただし密着する分、下地との通気層がなく湿気によりシートが浮く可能性も。機械固定工法では、下地に丸いディスクを打ち込み、その部分だけを専用機械でシートと密着させて固定します。下地と密着する部分が少なく、下からの湿気に強いのがポイント。一方で強風時はシートが揺れることがあり、歩行する箇所には適していません。密着工法よりも機械固定工法のほうが工事金額は高くなります。人の歩行の有無、湿気などの環境、予算を加味して工法を選択します。